2010年11月20日土曜日

バロンの床下

お久しぶり。
B55バロン。ビーチクラフトです。パイロット席をはずして床下を覗いて見ました。

大きな白い丸いのはランディングギアのギアボックスです。ここでは死角になって見えないですが、これをモーターでまわして真ん中のベルクランクを回し、それがプッシュプルロッドを通じて左右のギヤを上げ下げします。

赤いハンドルは緊急用。モータ-が壊れてギヤが出せなくなったときに、手で回しておろすことができます。力仕事でとても大変。モーターの偉大さを実感しますが、F-4-Fワイルドキャットが手動の引込み脚だと聞いて驚きました。戦闘機、しかも艦載機で手動かよ。それに比べてゼロ戦は油圧。さすが。

画面左上方に見えるモーターは、フラップの上げ下げ用です。ひとつのモーターで左右のフラップを動かします。何でひとつなの?だって、片方だけ壊れたときに困るでしょう。

2010年1月18日月曜日

パイパーアローのコックピット(中央部)


PA28R-201、パイパーアローIIIです。操縦席の中央を撮りました。
ややピントが甘いですがご勘弁を。

操縦桿のペイントが結構はげています。
エンジン操作レバー(ミクスチャー、プロペラ、スロットル)が中央に集中しているのは、左右どちらのパイロットからでも操作できるようにとの配慮です。旅客機のようにレバー式になっているのがカッコいいですね。前方に押すと出力アップに働きます。

ランディングギアのレバーは丸くなっています。これはタイヤの形を表し、簡単に分かるようになっています。操作する時は手前に引きながら上げ下げします。その下の三つの緑のライトがポジションを表しています。点灯しているとギヤが降りて固定された状態で、安心して着陸できます。どれか一つでも点灯してないと困るんです。

2010年1月10日日曜日

ギヤアップ!

あけましておめでとうございます。

今年初の投稿は、パイパーアローのランディングギヤを引き込んでみました。
ご覧のように、完全に引込むわけではなく、上がった後もタイヤは見えたままです。なんだか中途半端ですね。セミノールもセネカも同じ仕組みです。昔の飛行機では中島飛行機の隼がそうでした。そう思うと許せます。加藤隼戦闘機隊になったような気分で飛んでみましょう。




ノーズギヤですが、これは完全に格納されます。カッコいいです。これらのギヤは油圧式で作動されていてパイロットは何も苦労しません。ゼロ戦と一緒ですね。ワイルドキャットは手動で上げ下げしていたそうです。ハンドル回すのが大変そう。

2009年12月14日月曜日

プロペラガバナーその2 お宝写真

今回はガバナーをはずしてみました。これは底から見た写真ですが、突き出ているギヤがエンジンからの動力を伝える部分です。右にあるアームが、コックピットから調節され、回転数を変えます。ただし見えているスプリングはスピーダースプリングではありません。スピーダースプリングは頭の部分に内蔵されています。



右の写真は、ガバナーをはずした跡のマウントです。
ギヤが入る部分や、オイルの通路が見えます。ギヤは、直接クランクシャフトから駆動されるのではなく、カムシャフト経由で駆動されます。
通常の整備でもはずすことは少ないので滅多にみれるものではありません。

2009年12月7日月曜日

真空ポンプ


飛行機の計器の中にはジャイロで作動しているものがあります。姿勢計と進路計、旋回計です。このうち旋回計を除く二つのジャイロを駆動しているのがこの真空ポンプです。これはエンジン駆動式になっており、通常エンジンの背中についています。エンジン始動とともにギヤで連動し、空気を吸い込みその流れでジャイロを回します。コックピットの空気をフィルターを通して吸い込み、計器を回して、最終的には写真上部の角みたいなものから吐き出しています。

右の写真下に突き出ているギヤを介してエンジンからの動力を受けます。しかしもしポンプ内部で焼きつきを起こしたらどうなるでしょう?下手するとそれがエンジン停止を引き起こすことになります。

ところが心配ご無用!この回転の軸はプラスチックで出来ています。ポンプが焼きついて停止してもエンジンがポンプを回しつづけようとすると、この部分が折れ、空回りをすることによってエンジンの停止を防ぐように出来ています。
安全に対してはとても細かい心配りがされています。

2009年10月25日日曜日

ストールウォーニングホーン


マウスのことではありません。その隣の小さいやつです。こんな小さな部品が飛行機についていて、大役を果たしています。彼の名は「ストールウォーニングホーン」。日本語では「失速警報」とでも言いましょうか。
飛行速度が遅くなったり、迎角(Angle of attack)が大きくなりすぎで失速しそうになると「ビー」という音で教えてくれます。

これはセスナ152のものですが、原理は至って簡単。まるで子供のおもちゃの「笛」です。飛行中、翼前縁についている穴に風が入ってくるのが普通ですが、迎角上がり過ぎると逆に吸い出されます。そうするとこの笛を「吸った」ことになり、音がする。簡単でしょう?電気も何も要りません。

パイパーのアローなんかは電気式になっていて、前縁についているタブが、迎角が上がった時の風で持ち上げられてスイッチ「オン」。電気のブザーが「ぶ~」という筋書きです。

2009年10月20日火曜日

キャブレター


ずばりキャブレターです。
この写真はセスナ172のものですが、セスナ152もほとんど同じ構造になっています。
エンジンの真下にあるというのは結構ポピュラーな位置。どうして~?だってさぁ、エンジンの上にあるとカウリングが高くなりパイロットが前を見れないでしょう。わかりました~。
写真左のエアインテイクから入った空気は、エアボックス(キャブヒートのバルブがあるところ)を経て、キャブレター本体に入り、ガソリンと混合され、上のほう(エンジン)に吸い込まれていきます。

下の写真がキャブレター本体です。ガソリンが入ってくるラインが映っています。操縦席のスロットルレバーでスロットルバルブが開閉されます。これが空気の流入量を調節。たくさん開けると空気もたくさん入り、出力アップ。空気がたくさん=ガソリンもたくさん燃やせるからです。ところが、急にバルブを開けると、空気はたくさん入るけど、ガソリンの気化がそれに追いつかず、エンジンが息継ぎをしたり最悪、停止します。

それを防ぐためについているのが「アクセルレーターポンプ(ドラえもん風に言って下さい)」。ごらんのように、スロットルバルブと連動して、バルブが開くと鯨の潮吹きのようにガソリンが「ちゅー」と押し出せれます。これで急な操作に対応していますが、やはり大切なことは急な操作を避けること。すべてのキャブレターについているとは限りません。