2009年10月25日日曜日

ストールウォーニングホーン


マウスのことではありません。その隣の小さいやつです。こんな小さな部品が飛行機についていて、大役を果たしています。彼の名は「ストールウォーニングホーン」。日本語では「失速警報」とでも言いましょうか。
飛行速度が遅くなったり、迎角(Angle of attack)が大きくなりすぎで失速しそうになると「ビー」という音で教えてくれます。

これはセスナ152のものですが、原理は至って簡単。まるで子供のおもちゃの「笛」です。飛行中、翼前縁についている穴に風が入ってくるのが普通ですが、迎角上がり過ぎると逆に吸い出されます。そうするとこの笛を「吸った」ことになり、音がする。簡単でしょう?電気も何も要りません。

パイパーのアローなんかは電気式になっていて、前縁についているタブが、迎角が上がった時の風で持ち上げられてスイッチ「オン」。電気のブザーが「ぶ~」という筋書きです。

2009年10月20日火曜日

キャブレター


ずばりキャブレターです。
この写真はセスナ172のものですが、セスナ152もほとんど同じ構造になっています。
エンジンの真下にあるというのは結構ポピュラーな位置。どうして~?だってさぁ、エンジンの上にあるとカウリングが高くなりパイロットが前を見れないでしょう。わかりました~。
写真左のエアインテイクから入った空気は、エアボックス(キャブヒートのバルブがあるところ)を経て、キャブレター本体に入り、ガソリンと混合され、上のほう(エンジン)に吸い込まれていきます。

下の写真がキャブレター本体です。ガソリンが入ってくるラインが映っています。操縦席のスロットルレバーでスロットルバルブが開閉されます。これが空気の流入量を調節。たくさん開けると空気もたくさん入り、出力アップ。空気がたくさん=ガソリンもたくさん燃やせるからです。ところが、急にバルブを開けると、空気はたくさん入るけど、ガソリンの気化がそれに追いつかず、エンジンが息継ぎをしたり最悪、停止します。

それを防ぐためについているのが「アクセルレーターポンプ(ドラえもん風に言って下さい)」。ごらんのように、スロットルバルブと連動して、バルブが開くと鯨の潮吹きのようにガソリンが「ちゅー」と押し出せれます。これで急な操作に対応していますが、やはり大切なことは急な操作を避けること。すべてのキャブレターについているとは限りません。

2009年10月16日金曜日

吸気、排気バルブ


飛行機にとっては迷惑かもしれませんが、とりあえず中を見たいということで、一肌脱いでもらいました。と言うよりも、帽子を取ってもらったくらいですかね今回は。

この写真は、シリンダーヘッドのカバーをはずしたところです。中には二つのバルブがあります。左が吸気、右が排気バルブです。上のほうにあるプッシュプルロッドがカムを押したり下げたりしてバルブが開閉します。普段は見えないんですが、この帽子の中で一分間に千回以上もぺこぺこ開閉してる目立たない存在です。

右の写真ははずしたカバーです。まだ新しくて光り輝いています。赤いゴム製品がガスケットで、カムからオイルが漏れるのを防いだり、カムにものがひっかかるのを防いだりしています。エンジン運転中はかなり熱くなります。

2009年10月7日水曜日

燃料ポンプ

セスナのような高翼機は翼のタンクから燃料は重力で勝手にエンジンに降りていきます。低翼機の場合はエンジンより低いところにタンクがあるため、ポンプでくみ上げる必要があります。
通常一つのエンジンにポンプが二つあります。なぜ二つ?ポンプを回す動力は、いつも回ってるもの、つまりエンジンが回すようにすればわざわざ専用の動力を持たせる必要がないですね。ところが、それが壊れてしまったらどうなる?そんな時のバックアップ用にもう一つ、電動ポンプがついています。
最初の写真はパイパーアローのエンジン駆動燃料ポンプ(engine driven fuel pump)。実は回転式でなく、昔の井戸のポンプみたいにハンドルを上下に動かす往復式です。エンジン駆動式なのでエンジンの傍、アローの場合は後ろにあります。

下の写真は同じくアローの電動ポンプ。エンジン駆動式のものが壊れて、エンジンが止まりそうな時に使う他に、エンジンスタート時のプライマー代わりとして、離着陸時にもバックアップとして使います。コクピットのスイッチでオン・オフできます。

2009年10月3日土曜日

セスナの燃料タンク

今回はセスナ152の燃料タンクです。
割とシンプルに、アルミで作られた箱です。
これが左右の翼内に一つずつ収められています。

真中の大きな穴が給油口。手前の穴には燃料計が取り付けられます。
手前に伸びてる管は、上が空気ラインで、左右のタンクをつないでします。下の管で右はエンジンに、左はタンク同士しをつないでいます。

へこんでいるところに年式を感じますね。

2009年9月26日土曜日

スクワットスイッチ

引込脚は便利でカッコいいが、地上でうっかりレバーを引いてしまうとさあ大変。
そんなうっかりさんのための安全装置がこの「スクワットスイッチ」。
地上にいる時は機体の重みでスイッチが「オフ」の状態なので、ギヤレバーを動かしても作動しません(上の写真)。

機体が浮上すると今度は脚が重みでぶら下がった状態になります。するとこのスイッチが押されて「オン」の状態になり、脚挙げの動作が始まります(下の写真)。これがひざの曲げ伸ばしに似ていると言うのが名前の由来です。

これはパイパー社の「セミノール」という飛行機の例ですが、結構この手の仕組みがポピュラーです。ただし、すべての飛行機がこの安全装置をもっているとは限りません。飛行機のマニュアルをよく読んで調べておいてください。

更に、この安全装置は、機体が地上で落ち着いている時には安全ですが、着陸直後などまだ上下している時は当てになりません。そこでうっかりギヤレバーを上げると・・・考えたくもないことが起こります。

2009年9月16日水曜日

オイルクーラー

小型飛行機のエンジンは空冷式が多い。零戦も疾風も隼も全部空冷式だ。セスナもそうだ。
オートバイのようにシリンダー周りに刀の鍔状のものがあって、冷却面積を増やして効率を上げていますが、そのほかにエンジンオイルが重要な役目を背負っています。それは、潤滑だけでなく、やはり冷却なのです。エンジン各部に回ったオイルが熱を取り去ってくれる。そしてまた冷却されて冷たくなったオイルが各部に回る。この繰り返しでエンジンは常に適温に保たれるのです。

今回の写真は、セスナ152のオイルクーラー。この細い管の中を通るオイルに風が当たり、熱を取り除いてくれる。結局オイルも空冷じゃん、といえばそれまで。だってそれを言い出すと水冷エンジンだってラジエターで冷却水を冷やすのは空気の役目。難いことは言わない。

セスナ152の場合はとてもわかりやすい位置にあり、空気も当たりやすいですが、機種によってはエンジンの後ろ側になるのもしばしば。そういう場合は何とか空気が当たるように、誘導板なんかを工夫してあります。